前置きも長いはずだったんですが、全部切りました。捨てました。
はーすっきり。
切った前置き部分に長々ごっそりあったメインテーマはこれでした。
笹巻きけぬきすし(お好み七貫) 背景は今回穴埋めに買った1/25000地形図数点 |
さあはいとにかく我らが西東京バス(PASMO,SUICA対応)で
檜原村最奥集落の数馬に着きました。
写真のタイムスタンプは08:20となってます。ここから歩き始めます。
約9時間。
そういやさ、バスの中で檜原小学校通う子たちと一緒だったんだけどさ、
あいつらみんな腰やランドセルに鈴のカウベルの着けててさ、
熊除けにカリンカリン鳴らしながら通ってやんの、
そんなまち東京都檜原村。
この季節、こっから先バスありません |
ここは「島嶼部を除く東京都最西端の集落」だそうですが、
「島嶼部を除く東京都最東端の集落」である篠崎新町を数次にわたり踏査しつつある私にとって
感慨無料、0円であります。
と思ったら篠崎新町の写真がそっくり見つからない 篠崎新町そのものから脱出して篠崎街道に出たとこの写真だけ残ってる謎 |
わーよそなら民宿程度の宿屋のエントランスの石垣がこれかよ、とかいきなり |
目的はお寿司食べることだったからね。行先はその時点で調子のいいとこ。
で、2,3日前に「払沢の滝が氷結しはじめました」ってニュースを聞いたんで、
んじゃまだ尚早だけど、檜原里巡り滝巡りでもって、お天気情報睨みながら。
なのでいきなり見えた滝の案内板には吸い込まれましたよ。
「竜神の滝」の心細ーい入口。
でも大丈夫、今回はとっても頼り強い新兵器導入したからね。
通称「トレッキングシューズ」
ラバーソールで未舗装路歩いてると顰蹙買うんだよ、あっち方面の人たちに。
街道草鞋で何が悪い、とか思ってたんだけど、ちょっと今回いろいろあって考え直しました。
それが吉と出ました。
いや素人が撮るとこんなもんだよ |
小規模ないいかんじの滝で、今後の氷結の成長具合に期待が持たれます。
以上、「竜神の滝」完了。
そっからですね、バスやダンプも通る騒々しい道を避け、(そのバス乗ってきたんだけどな)
北へ脇道まっしぐら入ります。
わーい柱状節理むきだしの小径 |
わーなんだかわかんないとこの絶景 |
んで二万五地形図でいう二重線路から実線飛び越えて破線になるとこの入り口探してました。
行ったり来たりした挙句、もうここのどこかしかないよな、って
やったことある人ならわかるでしょ。
え? あのやる気の無い茶畑に降りる階段? |
階段降りて農具小屋の先に続く作業道じゃないよね |
一応調べに降りてみると、どうやら道でした。
降りてしばらく行ったとこに「え? こんなとこに新築建造中?」って物件に出会いました。
いや旧築の崩壊中でした。
すっごいなー。柱と壁がそっくり残って屋根全崩落って
いったい何があったんだろ、手抜き普請じゃあるまいに
いやいやモゴモゴと他人の不幸に思いを馳せてたら、バチ当たりました。
カメラのタイムスタンプ見ると、こっから先40分ほど画像ありません。
それどこじゃありませんでしたから。
道中、完全にロストしました。
これぼくのせいじゃありません、とは言えませんが、
結局はぼくのせいです、でもなんとかリカバリできたんで、
こんにちご報告ができてる次第でございます。
とりあえず藪の中、安直に下に降りてみるのは往々にして最悪の選択、
地形図を冷静に見直しまして、「ココじゃない、なんとなく向こうっぽい」と
これまた根拠無く這いずりながら尾根筋一本移動してみたら、
下方の沢に丸太4本ほど渡した橋を発見。
その先にも道は続いてる模様。
あの丸太橋にいのち全賭け。
ほんの1mほど下の杉の幹に命運託し飛びつくように崖をずり落ちつつ橋のたもとに到着。
渡ってから振り返って、どう見てもやっぱ道無いじゃんよ。
なのに何故か渡った先からの道は幅は狭いもののしっかりくっきり安定していました。
娑婆に復帰記念に賽銭置きました |
そして下の集落への道がほんの数年で自然化してしまったものかと思われます。
こんなとこに民家が |
無事の生還を喜びつつ、地図上ではその民家の軒先を回り込んでの道が書いてあるのですが、
その道が見つからない。
だもんで大声で「ごめんくださーい」なんて言いながら軒先まで侵入。
なんの反応もありません。
裏に回ると水場まわりがいいカンジに氷結してたりして。
後述するであろうナンタラの滝よりよっぽど。
そしたら水場の裏に道らしき筋を見つけて、とりあえずそれ進んでみたら正解でした。
さっきの家から20分ほどで舗装路に合流、笛吹集落に到着。
ってどんなとこに住んでんだよ、さっきの家。
これ「笛吹」と書いて「うずしき」と読みます。
お約束の映り込み、今回はココです |
もうこの後でまわる次の集落「人里」も出しちゃいますけど
人里と書いて「へんぼり Hembori」ですよ |
なんかもう失われた言語・種族文化の痕跡でしかあり得ません。
宮本常一がなんか書いてたと思うんですけど探すの面倒。
「笛吹」については本でもなんでもどこを見てもたいてい「うずしき」と書かれてるんですが、
何故か国土地理院二万五地形図では「うずひき」と表記されています。
あれなんなんでしょうねえ、ってこの地図持っててこの辺歩いたことある人はみんな思ってます、
よねぇ。
「猪丸」 NI-54-25-14-4(東京14号-4)より部分 国土地理院未承認 339円で全国絶賛販売中 |
入った途端こんなの発見。
「不動滝」入口 |
でもここものすごく非整備。
荒れ放題。
順路不明。
でもでたらめに歩けば「入口」から2分ほどで滝の間近まで着きますよ。
地味~な滝でした |
まあやっぱたいした滝じゃなかったね。
でも近いね、近寄れるの。
で、でたらめに近寄り過ぎたのね。
飛び石渡ろうとして足滑らして右足水没。
だがしかし、こんなこともあろうかと最悪二重履きするつもりだった靴下に履き替えました。
準備万端スマートな日本の私。
2分後、苔ヌルに左足、手拍子で右足とまたも滑落、今回は両足水没。
もう乾いた靴下ありません、片方しか。
教訓:トレッキングシューズにも専攻あります、万能魔法の靴じゃありません
滝よりむしろこっち見つけたの嬉しかった たぶん甌穴 |
画像すっごく拡大するとわかるけど、奥に明かりが差してる。貫通してる。
比較的には脆めの火成岩、そのくぼみに固めの変成岩の小石が乗っかって、
せせらぐ流れに24時間コロコロコロコロ…と数百年~数万年穿ち続け… 貫通ってやつ
ちょうど一年ほど前、
このblogでいうとたった2つ前のエントリー、木津川支流の布目川で甌穴群を脇目に日没の道駆けてましたから知ってるんです。
そういや条件的にこの辺から奥多摩秩父なんか、絶好の甌穴放題だよなぁ、
あー、ってこた「奥多摩むかし道」にある「弁慶の腕抜き岩」、
隆起したんだか 誰かが面白半分運び上げたんか知らないけど、
あれも考えてみりゃ甌穴岩でしかあり得ないよなぁ
形的に似たのに溶岩に飲み込まれた木の枝が溶岩冷めることには炭となりいずれ崩れ消失して穴だけ残る、なんてのもあるけどいやきっと違う、甌穴と思いたい。
とかなんとか、いろいろ繋がり大変勉強になったなぁと思い込むことで、
このあとの靴内の不快を気にしないように努めました。
なので笛吹の集落まで上がらず引き返し、都道に戻って「人里」(と書いてヘンボリ)まで。
人里も地図で予想してたほどは面白くないなぁ、とか思って地形図見返したんですけど、
さっき通り越した橋、川渡る橋じゃなく、旧道跨ぐ橋じゃん、って気付いて引き返したらこんなかんじ。
兜造りの豪屋とか |
いーかんじで平屋が連なる旧道筋とか |
こんなのや |
あんなのや |
兜屋根は茅葺きかトタン葺きに限るね、瓦は野暮だよ |
こんなのもありました。
2週ほど前、静岡の宇津ノ谷峠を歩いた時、
岡部側に降りて進んだ集落に
屋根に小屋造りの通風塔が付いた家かいくつかありました。
それで神社の階段下に座ってた暇そうなお年寄りに、
「あの小屋のついた屋根の家は何やってるとこ? お蚕?」と聞いたら、
「よく気付いたねー、あれはミカンやってるうちなの。二階がミカンのムロになっててね、
温度と湿度管理してうまいことすると冬採ったミカンが4月でも5月でも売れるの」
って言ってました、アレですかね。
人里の小屋造り付き屋根の家 そういや二階は大きい割には窓もない |
これは藤枝市岡部町横添あたりの 「ミカンやってるうち」 |
たしかにこの辺から追分にかけて集落付近の山にはそこここにミカン植わって実を着けてました。
なるほどきっとそうだ、ということで。
さてこの人里を過ぎると上川乗まで4,5キロこれといった集落もなくクルマが轟々通る道の縁の申し訳歩道を歩かなくてはなりません。
それはやだなあ。
他に町の方まで戻るには浅間尾根に登るという選択肢しかありません。
でも道草食ってたせいで時間的にも正午過ぎて明るいうちに払沢の滝まで降りるのは厳しいかも。
ま、いいや時坂まで出られれば最悪タクシーも呼べるっていうし、下の道よりマシかと決意。
こんにゃく屋のおばさまに教わって人里の和田の廃校跡から登ります。
地図見ると尾根直登みたいなスジにも見えるけど、推定3㎞ぐらいの道筋で350mほど上がりゃいいんだろ、楽勝々々。
登り始めて10分経ってもまだ集落のうちです。
急坂の途中でたまらず腰を降ろしたところで本日のメインテーマ、「笹巻けぬきすし」
意外な所で初登場となってしまいました。
ここで開いたのは2巻 海苔巻きと鯛が出ました |
奥に水場があるらしいんだけど通せん棒が…あれ開いた |
冬の間は誰もいないアルムおんじの家みたいもんかな。
「憩の荘 大野荘」 |
さっきの水ってこれ?これのことなの? |
ぼくの運に比例するかのようにちょぼちょぼと水が。
備え付けのコップに満たすには5分以上かかりそうなペースで出てました。
おちょこに一杯分くらいありがたく頂いて退散。
空が見える、あとちょっとで峠出る、と騙され続け、また飽きるほど胸突き坂登って、
はっきり言ってこの日一番のキツい道でしたよ、
なんとか1時間近くかかって浅間尾根に到達。
この後の道中、ガイドマップの所要時間合計すると払沢の滝まで降りるには4時半くらいになりそうな気配。
やばい、急ぐ。
何日前に降ったんですかね、
朝バスで数馬に向かう途中、道端に残雪あるのは気付いてたんですけど、
さすがに峠頂を結ぶ尾根道にはしっかり残ってます。
日当たり良さそうな開けたところほど直に積もったのか残ってます。
一方日当たり悪そうな木立の中は地面まで届かなかったのか落ち葉も乾いてました。
よく見ると山の切れ目に霞んで街が見える この位置で見えるったら五日市から福生にかけてでしょうか |
足元というか自分の通ってる道は退屈なんですが、
遠景の眺めは最高いいのが続く道です、浅間尾根。
西側から浅間嶺に直接行く道は封鎖中でした |
開けたとこだとどこが道だか見えないってのは予想外に困りました。
所々幹に巻かれたピンクのテープと誰かの踏み跡を頼りに歩くんですが、
2,3人が道を外れて小便しに行った跡に辿り着いてみたり、
ぼく自身も間違った踏み跡を相当残してきました。
なんか広場に出ましたよ |
ってゆうか、今日数馬のスタートからこっち、村人を除いて道楽で歩いてる人、一人も見てません。
おかしいなあ。
同じ電車でいかにも山歩きそうな身支度の人、数十人降りた気がするけどなあ。
同じバスにはぼくとも一人しかいなかったけど。
電車数台で何百人かいても、広い広い山に散るとこんなにも希釈されるもんなのかね。
一応メインコースの浅間尾根なのに。
ってかもうみんな通過しちゃった時間なのか。
急がなきゃ。
まずは腹ごしらえ。
ってか本日のメインテーマ、「調子のいい見晴らしで気分よく笹巻きけぬきすしを堪能」
今度はサバ出ました~ |
おまけにそのほとんどがイートインしてやんの。
あれはな、三百年以上続く江戸名物だってんで引き寄せられた田舎っぺがな、
「今すぐここで開いて食べてもいいだべか」っての
まだ熟れてないから酸っぱいでしょうにお可哀そうだからってんで賄いの味噌汁出してやったのが始まり。
その場で食べれば味噌汁くれるってんで浅ましいのが続々来るもんで先代の因業ババァが込みの値段でランチメニューに設定したもんだ。
笹巻きすし買っていきなりがっつくイモがあるかよ。
これはな明日は釣りに行こう、山に行こう、ちょっと所用で歩いて川越まで、って時に
夏でも4時間、冬なら8時間~12時間先を見越して注文して拵えさせるもんだ。
持ち歩きで多少振り回しても寄らない、
荷物の中でも潰れない秘伝の詰め方包み方までが値打ちのうちなんだ。
それを出来立てイートインで酸っぱいの涙目で堪えて
「くぅーっ、喉に食い付きますな、これぞ江戸っ子が心意気で食べる寿司、オツでげすなー」
ってむせながら食って3つも4つも★つけてんじゃねぇよ百姓。
「寿司は江戸のファストフード、なのに注文してから出てくるまで時間が掛かりすぎ」とか見当違いのケチつけてんじゃねぇよ餓鬼。
切って捨てたはずの話蒸し返してんじゃねえよ洞。
蒼い山、白い雪、紅いエビ |
北秋川の谷を挟んで向こうに見えるのは御前山でしょうか大岳山でしょうか、
絶景の中すしタイムを堪能。
今日の仕事は終わった。
さあ山の日暮れは早いぞ、先を急ごう。
谷側は結構な急斜面もありますよ |
歩ける道幅は60~90㎝程度。
腰引けて山側踏み固まってない腐葉土上を踏んでズボるとローカットの靴に雪入る、
谷側に踏み越して倒れれば近道できる。
余裕で雪だるま作ってんのいるし |
開けてるとこほど残雪多くて木立無いから 落ちたら直滑降なんだ |
もうこれ以上は結構、慎重に行きます。
と、たいていのコースガイドに目印扱いで出てる兜造りの家に出ました。
この時点で14時10分、ん?
ぼくの行くとこってたいてい閉店してるね もう慣れっこ |
チェーンであることを売りにする峠茶屋って |
時坂のランドマーク高嶺荘もクローズ期 |
払沢の滝入口の店も休み 近くの簡易郵便局も休み |
あれ、15時過ぎですけど。まーいいか結果オーライ。
さあお待ちかね、本日のフィナーレを飾る檜原村最大の名所「払沢の滝」ですパンパカパーン。
どうぞ。
いやさ、時期的に氷結規模が小さいのはいいんだけどさ、
横からジョボジョボ掛けてる上から引いてきた水はなに?
動画でみてみましょうか。
なんで観光客来る日中にやるの。
んでNHK来た時だけ止めるの。
がっかりアンドがっかりだよ。
さて日没までまだありそうなので、も少し歩いてみましょうか。
6℃だってさ 16:10頃 |
とか思いながらもクルマ騒々しいんで上元郷で橋を渡り秋川の北岸側へ。
遠くからだとなんだありゃ 近くきて判りました |
これはきっと宝船ですね。クリスマスになると七人の小人が乗るアレ。
こっち側の方が新しいんだろうけどなんかのんびりした集落 |
陽はすっかり山陰に落ち 追分の橋が見えてきました |
川向うのギスギス感に対して こっち側はランページ造って遊んでる感 |
荷田子の橋の袂のアレはなんだろう なんかの寮か施設?と思って調べたら Otsu Nature Gardenだってさ |
追分のバス停前の家も蔵もついて立派だなあ |