月曜日, 3月 13, 2017

桑畑の地図記号がなくなってた

讀賣ライオンズじゃありません


いささか旧聞に属する話のようですが、
ぼくが気付いたのは多忙を極めた今日の日中のことなので。
眼休めに国土地理院1:25,000地形図「五日市」をつらつらと眺めてたら、
懐かしいヤツと再会、
檜原村役場の正面の丘に地図記号「桑畑」が。


ちなみに桑畑を囲んでる点線はぼくが書き足したわけじゃありません、
「植生界」といって土地利用の方法が異なる境目を示すどマイナーな地図記号です。

道が所々水色に塗られてるのは、1月末にここいらを通ったからだ。
見てくりゃよかった。

かねてより、
「もう要らねんじゃね? 桑畑の記号」
「約4,400面出てる2万5千分1地形図のうち、いったい何面に登場すんのよ」
「だいたい、あそこに桑畑が見えるから現在位置はここだな、とかわかんないし」
「そもそも測量・踏査する技手もそろそろ桑畑なんか知らないんじゃねーの」
といった廃止論はたびたび出ており、
それに対して
「いやいゃぃゃ…茶や蚕糸は大車輪で富国化を担った立役者なわけで…」
とか弱気な反論が蚊細くささやかれてた程度だったわけです。

でもこうして今も現役で使われてるのを見ると心強い。

同じ「五日市」図の北西端の神戸(かのと)、大沢あたりにもありました。

「五日市」 平成25年6月1日発行 北西端拡大
つかここ通って「郷土資料館前」(大沢の字の下の長い建物)からバス乗ったのは
ほんの3日前だ。
あー気付いてたら覗きに行ってたよ。

で、ここは「五日市」図の左上の隅に当たるので、近隣の地形図と重複します。

「武蔵御岳」 平成25年6月1日発行 南西端拡大

隣接する別の地形図ですが同じ場所です。
「植生界」の点線も健在です。
最初の役場前も含め、桑畑は北向き斜面に設営されております。
で、近隣の他の図絵も北斜面を中心に目を皿のようにして探したんですけど、
そうそうはありません、桑畑。
なんたって錦糸産業の都「八王子」の地形図にも見出せませんでしたから。
でもさすが檜原村は時空が違う。

なので重複してるであろう同じ「神戸・大沢地区」を別の地形図で確認しました。

「奥多摩湖」 平成25年11月1日発行 南東端拡大
ん? 無い!
同じ場所なのに「畑」の記号になってる。
「植生界」のくくりも無い。

「猪丸」 平成28年1月1日発行 北東端拡大
無い。
やっぱ単なる「畑」になってる。


どれも最新の現行版地形図ですが、最終改訂時期が違う。
平成25年の6月から11月の間になにかあったらしい。

H25.06.01発行の「武蔵御岳」の凡例には「桑畑」載ってる。

H28.01.01発行の「猪丸」の凡例には「桑畑」が無く新しい諸々が載ってる

「新しい諸々の地図記号」には異論も無いんですけどね、
なにも殺すこたないじゃない、桑畑。
そりゃさ中学入試とかに出題されたら今どきいくらなんでもひどいだろ、
っとかは思いますよ。
何年か前、桜蔭中がニホンメダカの生態観察記に基づく出題してて
あのそれ絶滅危惧種なんですけどって憤然シオシオになったくらい。

ってかここいら奥多摩町、日の出町、檜原村のとんでもない奥地に
新設された「老人ホーム」の地図記号がやたら頻出しててむごい。

北東/北西から合流したのち南下して折れてヨタる神戸川の流跡が
老いさばらえ野垂れた「桑畑の地図記号」の死にざまに見えたり。

とかなんとか示唆に富む絵図を見てるうちに5時間くらい消費しちゃったよ、
あー今日も忙しかった。

 

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