木曜日, 4月 16, 2015

地球・太陽・月の大きさ 地球やなんかの大きさ 3/4

前回は「地球の丸さ」を考えるためノートにコンパスで一億分の一サイズの地球を描きました。
今回は「地球と地球関係者の大きさ」を考えますので、一千万分の一サイズの地球を使います。
「北極から赤道までの距離の一千万分の一が1メートル」でしたから、直径は約1.27メートル、
だいたいこんな大きさになります。
「七年目の浮気」に放り込んでみました

ホームベース上に置いてみました
たいへん邪魔そうですが、今回はこのイメージで進行します。
今回の縮尺は 1/10,000,000(ゼロ7つ)ですから、
実際の1キロメートルはこの地球儀上では0.1ミリメートルになります。
以下の通り。


あと今回たびたび使うかもしれない数字として、光速299,792,458m/s (1,079,252,849km/h)、
毎秒約三十万キロメートル、時速約十億八千万キロメートル
を置いておきます。



ではまず月までの距離から始めましょう。
地球-月間の距離(平均公転半径)は384,400km = 384,400,000mですから、
千万分の一にすると38.44mになります。

ところでさっき野球場のホームベース上に千万分の一の地球儀置いてみました。
公認野球規則では本塁から一塁までの距離は90フィートと定められています。
すなわちダイヤモンドは一辺90フィートの正方形です。
となるとその対角線、本塁-二塁間の距離は、1フィートが0.3048mですから、
(90 × 0.3048)√2 = 38.7947064… 約38.8m
になります。
おや、地球-月間の千万分の一とほとんど同じですね。
ということでホームベース上に地球儀を置いて月の公転軌道の線を引いてみました。

半径は、本塁二塁間 = √2本一間
引いてグラウンド全景だとこんなかんじ
二塁ベース及び一塁手・三塁手の定位置あたりを通ります
地球から月までは光の速さで約1.28秒かかります。
ときどき盗塁を阻止するため、キャッチャーは本塁から二塁まで送球しますが、
その送球に月までの光同様1.28秒かかったとしたら、
その球速は30.3m/s = 107.9km/hとなります。
実際のプロ野球レベルで盗塁阻止能力とか算段するのには、捕球してから、
ミットがポンと鳴ってから握り直して投げた送球が二塁に到達するまで2秒を切れば合格ライン、
ですからまずまずですね、108km/h
あ、これ光速の千万分の一だから当たり前ですね。
千万分の一の世界ではキャッチャーの送球は光速並み

月の大きさですが、直径3,473.3kmなのでここでは約35cmです。

これが35cm ボールの大きさがね

14インチ(約35.6cm)のビーチボール、わりと一般的なサイズなんですが、人と比較しやすい画像って少ないですね。商品写真はたいていボール単体か無闇に小さい子供に持たせてるんで。
打席に立ったとき二塁ランナーがこんなビーチボールを持っていたら、
「あー、地球から見た月の大きさってあれぐらいなんだなあ」と思ってください。

細かいことですが、月の公転軌道は完全な円ではありません。
近地点距離363,304km、遠地点距離405,495kmなので、
このグラウンド上では2.1mほど前後します。
ビーチボール持った三塁手がバントに備えてややチャージしてきた、
いわゆる「スーパームーン」はそんなイメージで大丈夫です。


太陽の大きさいきましょう。
国立天文台によると太陽の直径は1,392,038±20kmとのことですので、ここでは約139mです。

東京ドームの本塁から中堅フェンスまでは122m、公認野球規則によるバックストップまでの距離(本塁からバックネット下の壁)は60フィート(18.288m)以上とありますから、規則通り最低限の数値として、合わせて140mくらい、ちょうどグラウンドすっぽりです。

太陽の直径は地球のそれの約109倍です。
そこでグラウンドに地球儀109個並べた画像を作ってみたんですが、なんの説得力も無い絵面になってしまったのでお蔵入りです。
東京ドーム座席表平面図に落とし込んでみました。

千万分の一の太陽は野球グラウンドすっぽり

千葉マリンスタジアムだったか、バックストップまでの距離があまりに遠いので、パスボールが転がり過ぎないように球止めを置いている球場もありますね。
東京ドームはほぼ規定どおりだと思います。

月の公転軌道円は半径が本塁-二塁間ですから直径は約77.6m、太陽の直径はその1.8倍です。


東京ドームの建物としての高さは56.2mですが、グラウンド面は5.5m掘り下げているので、グラウンドでの天井最高点の高さは61.7mあります。
太陽を上下真っ二つに割って上半球をグラウンドに置くと、7.8mほど天井突き抜けます。

東京ドームに貼ってあったスケール比較プレート
千万分の一の太陽は、銀座中央通り一丁分よりやや大きいことがわかります。

平安京は碁盤の目状に作られ、現代の京都市中心部もそれをほぼ踏襲しています。これを条坊制といいます。条里制ではありません。条里制は班田収授法などの律令制下で農地を区画する時に用いられたもので、正方形とは限らず、また無理に子午線方向に揃えたりもしません。奈良市周辺のように正方形かつ子午線に揃えてるところもありますが。正方形の場合条里制では一辺が約109mになります。
京都市は都造営にあたって風水思想に基づいた都市計画の条坊制を元にしているので正方形の区画が南北に揃ってます。二条城以外は。
二条城の区画ははなんで傾いちゃってるんでしょうね。あれ改築にあたって新し物好きの信長がバテレンの持ってきた磁石で方位取らせたんじゃないかと思ってるんですけど。
2°くらい、ちょうど磁北の偏差分くらい傾いてますよ。逆に言うと平安京作った8世紀末にはきっちり正確に南北の方位が取れてたということです。

というわけで平安京は条坊制に基づいて造営され、東西に通る「条」と南北に通る「坊」で区画された正方形はこれまた「坊」と呼ばれ、その一辺は180丈と定められました。
一坊は田の字に4分割され、これを「保」と呼び、一保はまた田の字に4分割され「町」と呼びました。
一坊には4×4の16町あったわけです。
「丈」は10尺、約3.03mだったので、「町」の一辺は
(3.03 × 180) ÷ 4 ≒136m (道路含む)
となり、千万分の一の太陽の直径とほぼ一緒です。奇遇です、単に。

条坊制(京都市)


では太陽を周回する地球の公転軌道の大きさです。
地球の公転軌道もわずかに楕円になっており、近日点147,098,074km、遠日点152,097,701kmですがここは平均距離149,597,870kmを取って千万分の一で149,598メートル、14kmと960mとします。
と、どうなるでしょう。東京ドームに太陽置いたまま14.96kmの円を描いてみます。

東は江戸川越えて千葉県にちょっとさしかかり、西は吉祥寺の手前、
北は草加のあたり、南は羽田の手前平和島あたり

外環道や環8が近いかんじでしょうか。
井の頭公園の高台から東京ドームの中を透視した時のグラウンドの幅、それが太陽の視直径です。バッターボックスから見たセカンドベース上のビーチボールすなわち月の視直径も一緒です。道理でお月さん綺麗だなっとかで写真撮ると思いのほか小さく写りますもんね。

そういえば光速度を使うの忘れていました。
太陽から地球まで光速で499.01秒、ほぼ500秒ですから8分と1/3。
総武線の水道橋-東中野間が無駄に曲がってなくて京急なみの時速108kmで途中駅無視すると吉祥寺までそのくらいで行ける、と。

ところで「地球と太陽の距離」って、いつどこでどこを測った数字なんでしょうかね。
正午に海抜0m地点で太陽の表面まで測ったんでしょうか。それともそれぞれの中心どうしの距離でしょうか。それによっちゃ70mほど違ってくるんですが、総武線で言ったら3、4輌分ですよ、どうでもいいですか、そうですね。


円周は14.96πで46.998km、ほぼ47km、マラソンより一割ほど長い。
この距離を一周するのに365と1/4日かかるわけですから、一日あたり約129m移動しています。
短かめのバス停くらいでしょうか。
でも地球の直径101個分もありますよ。
1時間でも4.2個分。意外と早いですね。

もう一度千万分の一の地球の大きさを見てみましょう。

これは映画「独裁者」に本当にあった1コマ
野球のグラウンドくらいの恒星の周りをこのくらいの惑星がビーチボールくらいの衛星連れて1時間に直径の4.2倍移動してる。環8や外環道にこのくらいのボール持って行って45分かけて一回転ころがしてやるくらいの移動。
そんなイメージ。




一億分の一だ一千万分の一だって話で画像作ったりビーチボールの画像探したりしてたら、
「10億倍のビーチボール」作って売ってる人がいましたよ。
こっちも面白そうだなあ。

http://kasetusha.cart.fc2.com/ca36/667/p-r36-s/
水分子ビーチボール



1/4 地球を測る地球で測る
2/4 地球の丸さ
4/4 人工衛星や小惑星の距離


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