木曜日, 2月 09, 2012

福一由来の放射性物質なんて、もっと拡散させたらいいのに


さっき首都圏ニュースっての見てたら

群馬県高崎市のベンチャー企業が開発した繊維が、海に流れ込んだ放射性物質を効率的に取り除くことができるとして実用化される見通しとなり、会社側では原発事故で海に流れ込んだ放射性物質の拡散防止に役立てることができるとしています。

ってなこと言ってました。
いやそりゃ結構な技術ですけどね、
でもそんなもん拡散防止してどうすんだろ、むしろ拡散促進したらいいはずなのに、
って思いましたよ、って話。


いや、わざわざ今落ち着いてきた炉内からほじくり出してまで撒けってんじゃないですよ。
最初の水素爆発から数日間、数週間でばらまいちゃった分ね。

どのくらい出ちゃったかっていうと、ほんとは誰にもわからない。
当初昨年4月の「レベル7」発表の際にはヨウ素131換算で37万テラベクレル、
その頃のIAEAの試算では63万テラベクレル、
6月頃に原子力安全・保安院は77万テラベクレルに修正発表、
今月1日、改めて再計算した結果として48万テラベクレル。

っていうか万テラベクレルってなんだよ、十ペタベクレルじゃ駄目なの?とも思いましたが。
これらの記事が出た時、
○○万テラベクレルとか○○京ベクレルって数字に意味も無く腰を抜かして、
こりゃ大惨事だぁ、日本おしまいだぁ、って騒いだ人たち、いっぱいいました。


さっそく今回も修正発表48万テラベクレルに噛み付いてる人たちがいます。

「そんなもん核種によるだろ、うちセシウム137の比率が問題なんだよ、隠蔽しやがって」

原子力安全保安院は隠蔽してません。
ここ資料6-1(PDF)にてはっきり公表してます。
「1~3 号機から大気中に放出された放射性物質の合計量を試算したところ、ヨウ素131が15万テラベクレル、セシウム137が8200テラベクレルで、この2核種でのヨウ素131換算の合計値は48万テラベクレルとなった。」
詳細を隠蔽してるのは煽れる数字だけ報じた朝日産経です。


ではこれら福島第一原発から飛び散った放射性物質が、
海に拡散すると一体どんなことになってしまうのか。
一番大きい77万テラベクレルで、ざっくり計算してみましょう。
フェルミ推定」みたいもんです、かなりずさんな。

福一から半径1000kmの海に拡散したとします。
だいたい国後島の手前から四国すっぽりくらいが収まります。
3分の1くらいは日本列島の陸地だから除外します。
そうするとその面積は、
1,000,000m×1,000,000m×3.14×(2/3)ですね。
計算めんどくさいから3.14分の2が海ってことにしましょう。
円周率の方を3にするとうるさいのいるから。
そうするとその面積は2,000,000,000,000㎡です。
これで太平洋の70分の1くらいですからね、深さ無視した面積だけで。


深さはどうしましょう、水深200m以下の大陸棚なんて
金華山沖とかの広いところで岸から百数十km、
大半は50kmも沖に出ればガクっと深くなります。
そっから先の太平洋は平均水深3000mくらいあります。




面倒くさいからごく内輪に200mでいいです。
とその範囲の海水の量はさっきの数字に200mを掛けた 400,000,000,000,000㎥となります。
400兆立法メートルです。
数字が景気よくなってまいりました。

770,000,000,000,000,000bqの放射性物質が400,000,000,000,000㎥に拡散するとどうなるか。
海水の方、4の後に0が14個あるみたいなんでその分切ってみましょう。

7700÷4です。
こうなるとあとは小学校3年生でもできますね、1925bq/m³です。
海水1トンあたり約2000bqですね。
海水の比重とか細けえこたいーんだよ、元が適当なんだから。
キロ当たり2ベクレル
太平洋全体の水量にまんべんなく拡散してくれればさらに3~4桁くらい減ります。

通常の場合、人体はだいたいキロ当たり100ベクレルくらいの放射性物質を持ってます。
体重60kgなら6,000ベクレルくらい。
ほとんどはカリウムK40、残りは炭素C14です。
野菜や魚、海藻、肉、程度の差はあれみーんな持ってます。
カリウムと炭素、それにヨウ素は人体に必須に含まれますから、
摂取すればある程度の割合蓄積する可能性がありますが、
セシウムは不要ですからじゃんじゃん排泄されます。

もひとつ、こんなのどうでしょう。
via アームチェア人智学日記
お盛んに核実験やってた時代のヨーロッパでの観測値です。

この数字に「2」が足されたとこで何になるってんでしょう。
死にゃしないんですよ、誰も。

「将来的な影響は計り知れない」

知れてんですよ、既に。
何も起きない


「今年は子供と海水浴に行くのを控えました」

海や川での水の事故では例年8~900人の死者が出てるんですけど、
今までそんなの平気で海や川へ連れてってたわけでしょ。

漁業者なんかもひどいですね、
彼らのほとんど天気図の読み書きもできない。
海の広さも見当つかない。
上記の簡単な計算もできない。
だから風評被害だなんだで、困った困った言っても、
こうゆう数字を出して、
どってことないんだよ、今までのに数百分の一、数万分の一増える程度なんだよ、
って消費者に安心を訴えることはできません。
したくもありません。
彼らが訴えで一致団結できたのは、
「政府・東電は速やかに補償せよーっ」
ってやつだけです。


過日のニュースで、
「野積にしてあった薪をストーブで焚いたら灰から高濃度の放射性セシウムが出てきたよ」
ってのがありました。
たいへん結構なことじゃありませんか、朗報ですよ。
要するに濃縮したわけですよね。
多少は大気中に拡散して、それがまた降ってくるんでしょうけど、それでいいんです。
また集めて焚けば。
つるつる貼った床を掃除する時に、おがくず撒いて集めるようなもんです。

で、濃縮した灰なんか海に撒いちゃえばいいんです。
海は広いし大きいし。
せっかく集めた放射性セシウム、陸上保管なんかしてどーすんだよってね。


じゃんじゃん海に撒いちゃえばいいんですよ。
拡散させたらいいんですよ、できたら全量。
陸上にあったらフワフワあっちこっち飛び散って輪廻すんですから。
セシウムなんて比重が高いんだから、
海に入っちゃえばゆらゆら揺られる度に深海へと沈んでくんです。
おー着実に深海に沈殿してってるぜー、なんて賀すべきニュースなんですよ、本来。


ってなことをなかなか言えませんね、有識者とか著名人は。
小学生レベルの計算もできずに
桁の大きさだけに脳がバッファオーバーしちゃって慌てふためく輩がいっぱいいるから。
現実解を導くための冷静な議論なんかできやしない仕組み。

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