もちろん私論・暴論のいつもの長いだけの愚痴ですが。
初場所よりいくらかマシになったとは言え、春場所も立合い合わない相撲が目立ちました。
ぼくは根が陰険なんで、毎日十両以降の相撲で時間一杯から一発で立てなかった取組み閻魔帳に付けてました。
先に突っかけるのもいれば、自分のタイミングじゃないんで立たなかったのもいる。どっちが悪いか見た目明らかなのも多いんですが、一応両成敗なんで両方カウントしました。
やっぱり外国出身力士絡みが多いですね。
翔天狼6回、碧山5回、旭秀鵬4回、時天空4回、朝赤龍3回、日馬富士2回。
もっとも時天空なんかは一回突っかけといて相手の出方を探ったり蹴手繰りの伏線張ったりってのがお約束の戦法になっちゃってますが。
モンゴル力士でも少ない人は少ないんです。旭天鵬堂々の0回。鶴竜の1回は翔天狼に突っかけられたやつですし、白鵬は千秋楽結びの把瑠都戦で一度嫌ったあれです。玉鷲も1回だけ、それも元々立合い悪い佐田の富士戦。意外や荒鷲と途中休場しちゃった千昇は0回。
日本人で目立ったのは鳰の湖5回、千代大龍4回、佐田の富士4回、旭日松4回あたり。
幕下以下の外国出身力士だと目も当てられない始末で呆れ返って見てました。
あれ解ってないんですよ、相撲ってものを。
でまた師匠が教えない。
教えてるつもりなんでしょうけど伝わってない。外国出身力士が何を理解できてないかを師匠が理解してない。だから外国人力士は立合い合わないのが多い。
ヨーロッパ系の人はそうでもないんです。
あれ顔つきからして日本人じゃないの判るから師匠も一から懇切丁寧に相撲の何たるかを教える。
モンゴル人はなまじ顔付きが日本人と似てるもんだから、解ってるもんだと思って前段省略していきなり稽古場に上げる。と、あーなる。
日本に生まれておそらく一番最初に経験する勝負事はジャンケンでしょう。3歳4歳そのあたり、お兄ちゃん達に混じって味噌っかすで遊び出す頃合い。
グーはチョキより強くてチョキはパーより強くて…
でジャンケンポンの合図で考えた手を出す。
じゃ相手がグー出すの見たらパーを出せば勝てるな。
でもそれやると「ダメだよそんなの、後出しずるいや」って叱られる。
そうやって「合わせる勝負」ってのを身に付ける。
合わせないと勝負が成立しない始まらないってのを幼少の頃から当たり前に覚える。
そんなの外国に無いんですよ。
向かい合った時から勝負は始まってる。
少しでも自分有利に立ち回るのが勝負師としての志で目指すべき事なんです。
相手に合わせるなんてIdiotのすることです。
相手と合わせるジャンケンなんてできない。意味わかんない。
だからサッカーなんかでもコイントスで決める。公正とはそうゆうことだと思ってる。
話逸れますけど、今甲子園でセンバツ高校野球やってます。
あれベンチ一塁側と三塁側は事前の組合せ抽選会で引いた若い番号の方が一塁側って決まってますけど、先攻後攻は試合前にジャンケンで決めてるんですよね。オーダーシート交換の時に審判立合いの元ジャンケンして勝った方が先攻後攻好きな方を選べる。
大相撲の話に戻ります。
相手と合わせて立って当たってから勝負するのが正しい相撲です。
相手より有利に立とうとするのは汚れた相撲です。
でも部屋で教えないんだからしょうがない。
教えてる部屋は教えてるんだと思いますよ。
モンゴル人力士開拓の嚆矢だった旭國の大島親方は外国人であることを意識して一から教えたんでしょう。だから旭天鵬なんかはちゃんと立つ。目が届かなくなったのか旭秀鵬は立てない。
その大島部屋の成功を真似して適当にモンゴルやグルジアロシアに人買いに行った部屋なんかは、とにかく稽古させて勝てりゃそれでいいやってなもんで、土俵上がる以前の事も教えない。
だから幕内入っても水入り知らなかった阿覧みたいの出てくる。
飛んだり跳ねたりの若ノ鵬みたいの出てくる。あ、出てったのか。
だいたいそんな立合いで駆け引きして合わせること考えず自分有利に立つようなのが伸し上がるってくるから対戦相手だってそんな相撲に付き合うことになる。
ほんと幕下以下なんてひどいですよ。本来力士養成員として正しい相撲を身に付けなきゃならない時期にそんな汚れた変則相撲に汚染される。日本人力士も。
あれなんとかなりませんかね。
教習所の卒業とは別に、もっと厳しい関取資格試験みたいの設けて汚い相撲してんのはどんなに成績上げても十両には上がれない。幕下筆頭格付け出しに留めるとか。
副理事になった大山親方あたりに期待したいとこです。
そもそもこんなに立合い汚くなったのはあの三重ノ海の武蔵川理事長が「立会いの正常化」とか号令かけて立会い異常化してからですよ。
寄附行為細則の勝負規定には
立合いは腰を割り両掌を下ろすを原則とし、制限時間後両掌を下ろした場合は「待った」を認めない。
とあります。
「両掌を下ろす」であって、 「両掌を土俵に着け」なんてどこにも書いてないんですよ。
それを何故か手を着かなきゃいけないみたいなことになった。
それでみんな混乱した。混乱して合わない相撲が続出した。
だもんで業を煮やした武蔵川が何をしたかというと支度部屋に貼紙して注意を促した。
その辺のいきさつは以前「
立合いの異常化」ってエントリーでも書きました。
貼紙で直るなら東西300枚ぐらい貼ったらいいですね。でも直りませんでした、ますます悪化しました。
だいたい三重ノ海自身が仕切線に手を着くような立合いしてなかったくせに。
三重ノ海-輪島
三重ノ海-北の湖
ね、これでいいじゃないですか。
いくぞ、おう、せーのっそりゃっ! って合わせてぶつかって取っ組み合うからいいんですよ。
ちゃんと相撲になってるじゃないですか。
腰を割ってからいつまでも相手焦らしたり探ったりなんか大相撲のすることじゃないです。
でも武蔵川理事長のお達し以来、「手を着かなきゃいけない」って審判部も言い出して、それで今のなんだかわかんない駆け引き立合い相撲の蔓延を引き起こしてんです。
ほんと言うと魁皇なんかも立合いの駆け引きズルっこかったですけどね。
でもあれはいいんです。だって魁皇様なんだもん。
ジャンケンも知らなきゃ勝って喜んじゃいけないのも意味わからない。
武道なんてのもわからない。
スポーツでしょ、あらゆる手練手管駆使して勝つのが至上でしょって思ってる。
だってガイジンなんだもん。
ガイジンだってこと忘れて教える師匠が悪い。
言葉の壁だってあるかもしれませんね。
稽古場で親方に「もっと鋭く
速く立て」「相手より
速い立合いを身につけろ」
って口酸っぱくいわれてもガイジンさんにはわからないんです。
ハヤクハヤクッテ オヤカタニ イワレマシタ ってんで相手より「
早い」立合い磨いちゃったりする。
「はやく立て」「合わせて立て」 もう混乱するだけ。
学生相撲出身力士も合わせられないの多い目立ちますね。
垣添なんか武蔵川のお達し以前はそれなりに立ててたんですけど、あれ以来わかんなくなっちゃった。今幕下でも合わせられない。被害者ですよ。これも
以前のエントリーで書きましたけど。
稽古で教えてないこと本場所の土俵で出来ないからって客前で垣添叱り飛ばしたのが部屋継承した藤島。
学生相撲とかのアマ相撲ってのは「行司」がいないんです。その代わり白手袋はめた「審判」が土俵上にいる。この人が片手を出して「見合って、始めっ」って号令かけると取組みが始まる。大相撲と違ってお互いの呼吸を合わせて力士同士の判断で立つわけじゃない。
だから学士力士なんかはしばらく立合い苦労しますね。今の千代大龍とかまだ戸惑ってんじゃないですか。
テレビ解説の親方衆なんかでも苦言を呈して見せんのいますが、お前んとこの力士も大概だろが、って思うこと結構あります。
んで仕切り直す前に力士がお互い謝るのはともかく、審判長に向かっても謝りますね。あれ何か勘違いしてんじゃないかな。大相撲の世界ですから親方衆が偉くて恐いのは判りますがお門違い。そもそも合わない立合い蔓延させてんの審判部なんですから。謝るならお客に謝れ。いや力士が客に謝らなくてもでもいいんだけどさ、そのくらいの意識を力士は持つべき。
そして審判長も「合わせるんだよっ」なんて叱ってますが、客前でそんな相撲を取らせてること自体を恥だと思え。責任感じろ。お客に謝るんならお前が謝れ。
今ならまだ汚い相撲に毒されてないベテラン勢がいます、ちゃんとした相撲指導できる親方衆います、けどあれ抜けたらもう大相撲取り返しのつかないことになるかもしれないってほどの危機なんです。
とにかくあれですよ、汚い立合いの駆け引きを排除して、ぶつかってからの取っ組み合い、あるいは呼吸の合った立合いだからこその変化、いなし、そんな本来の大相撲に戻して欲しいな。
そこんとこ、北の湖理事長に大いに期待、していいのかなあ。