水曜日, 4月 04, 2012

ビンテージ力士の愉しみ

何をもって「ビンテージ」とするかの定義はあえて避けますが。


星取表が気になったり国技館早めの時間に入ると割紙見て探したり。
BS映ったりするともうね、無条件に応援したくなる。
おじさん頑張れ!


去年まで結構一杯いたんですけどね。
それがゴタゴタに愛想つかしたのか一斉に廃業、今残ってる人たちも、いつあれするかわかんないんで急いで今の内に現役ピックアップしときます。
年齢、成績等は2012年3月場所終了時点です。


華吹 大作
1970年5月28日生まれ41歳 初土俵1986年3月 東京都足立区 立浪部屋
「はなかぜ」と読みます。なんでこんな四股名つけたんでしょうね「鼻風邪」みたいじゃありませんか。初土俵は現師匠のイケメン親方旭豊こと立浪より丸一年先輩にあたります。最高位は2003年九州場所の三段目東18枚目、近年はよほど大勝ちしない限りは序二段に定着。最後に三段目に上がったのは2010年夏場所、なんと39歳10ヶ月。なんだかんだ序の口に落ちることは無いそれなりの実力者です。たぶん現役最高齢。


笠力 充将
1970年7月13日生まれ41歳 初土俵1986年3月 愛知県名古屋市南区 二所ノ関部屋
幕下以下7番相撲の世界で堂々歴代1位の633敗、長年最弱力士の称号を欲しいままにする序の口の牢名主。ところが昨年技量審査場所でほんのり勝ち越し、更には大量の退職者もいたためか、39歳11ヶ月で自己最高位更新してしまうという離れ業。笠力に勝った力士はそのまま出世してきますし、笠力に負けた力士は1,2年で廃業しますから、ほとんどの相手とは一回こっきりしか対戦できません。それでも後に幕内上がった若光翔には勝ってるんですよ。もちろんそれっきりですが。笠力さんと5回も6回も当たれるのは現役では式乃川、森麗らのベテラン中堅、若手では 東花、大貫改め東輝、高千穂ノ峰、肥後光くらいです。不思議な事に若戸大橋とは未対戦ですね。なんかご様子も良いようですが関取じゃないでしょに。笠力さん二所ノ関部屋に入門した頃はまだ麒麟児が現役だったんですねえ。


北斗龍 定裕
1971年年3月16日生まれ41歳 初土俵1986年3月 北海道函館市 北の湖部屋
幕下以下で579敗は笠力に次ぐ歴代2位。序二段を棲家にしてますから全501勝のうち実に410勝は序二段でのもの。序二段での白星は歴代1位です。特筆すべきは156場所勤めて一度も休場がありません。さらには全勝も全敗も無い安定ぶり。昨年の九州場所で負け込んで久々に序の口に落ちてしまったんですが、初場所で取り返し春場所は目出度く定位置序二段に最昇進したのが40歳11ヶ月、伝説の一ノ矢さんには及びませんが笠力と並んで歴代2位であります。

華吹、笠力、北斗龍の三人の初土俵は巌雄の山響親方なんかと同期です。


出羽の郷 秀之
1970年11月22日生まれ41歳 初土俵1986年5月 埼玉県三郷市 出羽海部屋
前の3人より一場所遅れの初土俵。そこそこ順調に幕下中位あたりまで出世したんですが、2003年夏場所小戸龍戦でうっちゃられて負傷。途中休場、休場、休場、全敗と三段目まで番付を落とすも、そこから怒濤の8場所連続勝ち越しで一気に取的卒業、2005年夏場所34歳 5ヶ月での十両昇進は歴代最高齢。ただ十両では3勝しかできずその一場所だけなんですよね。現在は三段目を定位置に調子がいいと幕下。2011年初場所での幕下返り咲きは39歳 9ヶ月と史上4位。全532勝中寄り切りが227勝と実に5割以上となる寄り切り職人。一場所限りだった化粧まわしは使い捨てで終わるまい。


郡山 勇二
1971年8月8日生まれ40歳 初土俵1987年3月 宮崎県宮崎市 三保ヶ関部屋
惜しいとこまで行ってんですけどね。1996年秋場所、幕下中位で増昴に改名、その効果か全勝優勝。 翌九州場所は現時点での最高位の西幕下2枚目。11日目十両の土俵に呼ばれた彩豪戦で一度だけ大銀杏結ってます。その後2003年名古屋場所からまた郡山に名を戻しました。初土俵から150場所ですが7番しか取れない幕下以下で通算520勝って凄いと思いませんか?凄いんですってば。

嵐望 将輔
1972年7月2日生まれ39歳 初土俵1988年3月 東京都福生市 貴乃花部屋(入門時は二子山部屋)
初土俵が若サマ貴サマ曙魁皇のあの昭和63年春場所、現師匠と同期入門です。東京都福生市出身なので長く福生乃花の名でお馴染みでしたが何を思ったか昨年の技量審査場所より嵐望に改名、Sumo Referenceを始め各所で「らんぼう」と仮名が振られていることも多いですが、協会や部屋のプロフィールによると「らんぼー」が仮名での正式表記です。最高位は東幕下13枚目、でもそれもう13年も前の話です。近頃は三段目下位が定位置ですが春場所負け込んだので夏は序二段でしょうか。今年春場所までで通算481勝466敗って、一場所7番しかない格ですからある意味立派な数字ですよね。


栃の山 博士
1973年2月24日生まれ39歳 初土俵1995年1月 東京都立川市 千賀ノ浦部屋(入門時は春日野部屋)
ここまで中卒叩き上げばかり挙げてきましたが、栃ノ山は大卒です。拓大です。栃乃洋の1年先輩です。したがって初土俵は遅いですがちゃんこの香りの滲み出し具合は負けてません。幕下までは比較的順調に番付を上げたもののその後苦労し、それでも2001年秋場所では関取目前の幕下西2枚目まで迫りました。12日目の濱ノ嶋戦で一度だけ大銀杏結ってます。(訂正:その後数回ありました。あとで修正します、あとで。)2004年の千賀ノ浦部屋創設時に拓大の大先輩舛田山についていった旗揚げメンバーであります。初土俵時「栃ノ山」だった四股名を「之」の字に変え、「の」の字に変え、ここ数年は幕下を定位置に調子崩すと三段目上位、なんとかBSの放送枠からは陥落せずに文字通り七転八倒で頑張ってます。まだまだ「乃」の字なんかも残ってますからね。


式乃川 知和
1977年2月7日生まれ35歳 初土俵1992年7月 東京都品川区 式秀部屋
まだまだ旭天鵬や若の里に比べたって若いですんで、ここに並べるのもあれかとは思いますが将来のビンテージ力士候補ということで。初土俵以来109場所、うち序の口が70場所、なかなかできない記録です。それでも先の笠力さん同様昨年技量審査場所で勝ち越して自己最高位更新の西序二段87枚目、翌場所は全敗で元の巣に戻りました。


えっと、まだまだいるんですけど今日はこの辺で。



なんだかもうたまらないんです。
最期まで命削って戦ってる人やら、安穏と年々を過ごしてる人やら。
色々それぞれなんでしょうけど。
でもね、いっぺん見てみてください。
味わいありますよ。
どんな味だかは説明に困りますが。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ありがたく拝見させていただきました
下の力士を知ってこそ真の相撲ファンです
ますますのご活躍期待しております