木曜日, 12月 20, 2012

今更ながら「技量審査場所」

当時色々思うことあったんでblogに書いておこうと思ってたんだけど、思っただけで書いてませんでした。
何故それをいまさら書こうとしたかというとですね、こんな記事を見かけた(それだって何日も前)からです。

相撲CM in渋谷!スクランブル、109でPRだ!2012年12月14日06時02分 スポーツ報知
シブヤでビデオ流せば若者が…って安直な考えはともかく、協会、必死に頑張ってるんですよ。
八角親方、薄くなった頭フル稼働で知恵を絞ってんですよ。
流す映像ってやっぱこれですかね。
いや…
その…
まぁいいんじゃないすか。

追記:こっちかも。
平成25年大相撲一月場所CM イープラスバージョン


若者を国技館に引っ張り込もうって算段なわけです。
それにつけても去年5月のいわゆる「技量審査場所」、あれ勿体なかったなー、てね、
思い出したんです。


もうガードくぐって国技館近づいたあたりから様子が違う。
ひしめいてはためいてるはずの色とりどりの力士幟が無い。
かわりに墨一色の「がんばろう日本」ののぼりがポツリポツリと淋しげに。
木戸の脇にはバカみたいにでかい「暴力団関係の入場は…」の看板。
左から入るとニギニギしてるはずの茶屋は全部閉店。
ロビー突き当たりのウィンドウにビッシリ並んでるはずの各賞(シイタケ、好きだろ?)も優勝旗と三賞だけポッツリ。
売店もお土産関係は自粛。
力士弁当も自粛。どーでもいい幕の内とかおにぎりとかだけ。
アルコールも自粛。
名物の焼き鳥も自粛(あまりの苦情に終盤5日は復活)。
崎陽軒のシウマイまで自粛。
当然地下の「ちゃんこ屋台」も自粛。
華々しい懸賞も自粛。

たしか3回くらい行ったはずなんだ、なんとか抽選取れたマス融通しあったりして。
色々写真撮ってたはずなんだけどなーって今探したんだけど、六日目分のしか見つからなかった。
2階の「国技館カフェ」営業自粛
お食事処「雷電」看板ごと隠蔽
プリクラ自粛
割紙も広告自粛
そりゃすること無いわ、出方も手持ち無沙汰

すごい人来てたんですよ。
それも言葉悪いかしりませんが「ニワカ」が。

「初めてのお相撲見物」ってんで、そこいらじゅう物珍しげに歩き回って、写メ撮りまくり。
だもんで普段は追い剥ぎ出そうに閑散とした向正面側の廊下とかもウロウロキョロキョロした人で一杯。
普段なら「先場所の優勝・三賞力士」の写真や番付元書き飾ってるウィンドウ、「日本相撲協会は反社会勢力との…」の辛気臭い貼紙。
エントランスホール正面の幅10m以上ありそうな大ウィンドウ、賜杯を中心に各国各県からのトロフィー盾賞品埋め尽くされてんの背景に記念撮影してる人、いつ通っても必ずいますよね、いませんでした。だって旧ソ連のデパート並みにスッカスカなんだもん。旗一振りと杯3つが中央にぽつねん。
たしか相撲博物館も休館してたんじゃなかったかな。

力士が次々入場する南門からの通路なんか一番奥の教習所近くまでびっしり人だかり。
あんなの見たことありませんでしたよって混雑ぶり。
そこにフェンス並べたりロープ張ったりして、力士に声かけられないようにしてましたからね、協会は。

せっかく来たんだから記念に携帯ストラップの一つも買って帰ろうか、ったって売店やってません。
「えー!琴欧洲とプリクラ撮れるのー?!」 →撮れません使用中止。

「おっ 正面放送席、今日はカツアキ&刈屋アナかー」 →シャッター降りてました。

結びが済んだら打ち出しの太鼓に送られて… →太鼓自粛。

客層も普段と全く違いましたよ。
当然「接待族」はいません。ってか最近ぼちぼち復活してきたけど、あの頃は絶滅してたもんね。
普段ひょっとしたら1割くらいいるんじゃねってくらいの「ガイジンさん」もいません。
これは入場券の頒布方法に因があるんですけど、事前にネットで申し込んで抽選→郵送ってのが外国人観光客には敷居は高いわ鴨居は低いわで、当日券も無いんだし取りようにも取りようが無い。
せっかく5月の日本にやって来て、ガイドブックによると開催してるはずのGrand Sumo Tournament行ってみたら、やってはいるみたいなのにいくらカネ積んだって入れない。館外で指くわえて眺めるだけが精一杯。
同様の理由で「常連のお年寄」にも入場券の入手は厳しかったー。
バス仕立てて地元力士の応援に…って後援会もまとまった団体券取れないんだから来ようにも来られない。

ただその分、「ニワカ」が殺到してたんですよ。
その「若いニワカ様」をお通夜モードで迎えてしまったんですよ。

内容もひどかったー。
特に前半は花相撲さながらの無気力。
さすがに年寄連中も危機感持ってカツ入れたんで後半はそこそこ。
それにしたって本気出せったって無理ですよ。
十両土俵入り、西の片屋8人だけ
甚句でもおっ始めんのかと思ったよ
幕内土俵入り、2割減量で片屋に17人
魁皇-隠岐の海かな
ほら、いっぱい入ってるでしょ。
このほとんどが「御新規ニワカ様」。
「国技の殿堂で大相撲初観戦」の人たちに対して、大変礼を失するお悔やみモードで迎えちゃったんです。

そりゃ色々事情もありましたでしょう、世間の風当たりもありましたでしょう。

でもね、「技量審査場所」でググって御覧なさいよ。
ブログ検索とか画像検索とか。
みーんなね、口を揃えて言ってんの。
「大相撲、初めてナマで見たー。すごいすごかったー」って。

打ち出し(太鼓無し)の後、切符窓口に出来てた行列、あの人たちなに?
興奮冷めやらず前後不覚人事不肖で名古屋場所のキップ競い合って買っちゃってた人たち。
タクシー乗り場の行列とかで「わーまた今度はカネ払って来よーねー」とかハシャいでた人たち。
南門出待ちしてた人だかり、なになに?

あれでも楽しかったでしょ。


ほんとの大相撲はね、
ほんとの国技館の大相撲はね、
もっともっとずっとずっと楽しいんだよ。
茶屋の側から入ると初場所なら繭玉下がってて、お正月がも一度来た気分だよ。
往年の名力士が青ジャンパー着てそこいらへんうろついてんだよ。
2階のカフェで待ち伏せしてりゃ毎日必ず武蔵丸来るんだよ。
ソフトクリーム買おうって竜電の後ろに並んでたら自分の後ろに栃東が並んでたりするんだよ。
「燃える男・北桜」が館内くまなく回ってチビっこに飴玉配って歩いてんだよ。

その他もろもろ。
ほんとはもっと楽しいんだってば。


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これでやめとこうとも思ったんだけど、このblogとしては愚痴成分が足りない。


「でも、お相撲のキップってお高いんでしょう?」

他のスポーツ興行引き合いに出してどーこー言うのは敢えて自重。
たいして高くないよ。
朝から全部とは言わないまでも、昼ぐらいから行ったらお腹いっぱいになるよ。
いや、ボヤボヤしてるとアッという間に結びになるよ。


「マス席って狭いんですってねぇ」

あれはね、お相撲見物にとってちょうどいい寸法なんですよ。
4人マスに大人4人で入ると確かに窮屈ですよね。
そこがミソなんです。
そこに膝詰め合って弁当やら飲み物やら並べんの。
大人のままごと。
よそじゃなかなかできないよ。
大相撲が接待で長年使われ続けてきたのも、あの狭さにあったんじゃない?
それが嫌なら4人マス買って2人で使えばいーじゃない。
近頃はそんな切符も売ってるし。
一階の一番後ろにはテーブル付きの椅子ボックス席もございますよ。



まぁいーや。
あと23回寝ると初日なの。

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