日曜日, 3月 28, 2010

無事目出度千秋楽

無事でもなんでも無かったけどね。
15日、すべて取組終わった晴れの表彰式すら、
保身のために朝青龍を切り捨てた武蔵川からの賜杯、
お為ごかしは言っても結局見捨てた友綱からの優勝旗、
作り笑いすらこさえようの無い全勝横綱に
とどめは某国官房長官のハク ホーショー。

ま、そんなこと言ってたって始まらないし終わっちゃったし。
愚痴言うよりゃ希望を語りたい。
この角界のこの場所に、身震いするよな素敵なモノノフどももいたんだよ、って話。

十両の一番、玉飛鳥-若荒雄。

こなた玉飛鳥。
分類で言えば突き押し、でも突きなんかいくらも無い。押し一辺倒。
いや四つにも組めますが、それでもグリグリと右からも左からも押っつけて出てくる、
引かない男、玉飛鳥。
怪我、糖尿、そしてまた怪我、三歩進めば五歩下がる。
そこをアレだ、男の中の男、角界唯一のお星様たる玉春日が育てた男の中の男の男子。
世間的に言わば、この一番には十両優勝が賭かる大一番、だそうで。

かたや若荒雄。
独立云々で冷や飯喰わされた白いウルフ益荒雄が都落ちして開いた船橋の新部屋に
何のご縁か潜りこんできた近所のガキが、何の因果かいまや部屋頭。
こちらは突き押しの押しが弱め。
でもその上突っ張りは強烈な攻めでもあり、自分の距離を作る戦略としても大活躍。
勝ち越しは確保したものの確実な再入幕にはもう一つ積みたい所。

玉飛鳥は勝てば十両優勝、負ければ決定戦回り。
若荒雄は西筆頭、勝てば堂々再入幕。

でもそんなの関係無いね。
目の前の一番だよ。

取るに取れない千秋楽のキップ。
買って駆けつけた相撲好きが息を呑んだこの一番。

最低でも3回、成行き次第じゃ4回はあるはずの仕切り。
一回目はご挨拶ですよ、強烈に視線を闘わせてましたけど。

はや二回目の仕切、先に手を付き待つ玉飛鳥、眼光キリリの若荒雄。
立っちゃいましたよ、若荒雄、
隙も無く遅れず立てたよ玉飛鳥。

案の定、こーなるとしか考えられない 若荒雄の上突っ張り、
もちろん下から下からと当てがい距離を詰めておっつけての詰め狙う玉飛鳥って展開。
上と下との猛攻防、いや猛攻攻。

一回目の若荒雄の引きには玉飛鳥落ちず。
それでも突っ張り直す若荒雄。
たまらず一瞬玉飛鳥のアゴが上がり伸び上がる、も玉飛鳥は前へ前へ。
突きを止めぬまま次の瞬間体ごと開いて透かした若荒雄
全力押しの玉春日は前にバッタリ、あー無念、あーあー無念、あーーー無念。


優勝とか昇格とか賭かった一番にね、
そんなのどーでもいーんだよ、この人たちにゃ。
時間一杯まで、のんべんだらりと時間潰しつつ先方のご機嫌探ったりとかね、
立合い駆け引きで自分優位に持ってったりとかね。
「自分の相撲」とか「一番々々」って、よく軽々しく言ってるけどね、
コレがそのアレなんだ、これこそその本質なんだ。

いや、ホントこっからが大事な話。
玉飛鳥が優勝とか昇進とかに興味が無いわけじゃないんだ。
優勝すりゃ賞金だって貰えるし、上の土俵で戦えるんだし。

ホンの2年前の夏場所、幕下2桁からの7戦全勝で関取復帰を決めたあの日。
勝った直後もいつものようにキチっと礼をして、ふんぞり返って花道下がったけどね。
支度部屋で兄弟子玉春日と抱き合って号泣し合ってんだよ。

結果は結果。
終わってからの話。
やり遂げた男の涙なんだ。
はい、もらい泣きしましたよ、こっちだって号泣ですよ。


ま、この一番に絡めてね、協会上層批判とかさ、
NHKをはじめとする媒体のアレとかさ、それに引き摺られた力士全般の料簡違いとかさ、
いろいろそりゃ限りなく言えるさ。

でもとりあえず今日はさ、あれじゃん、
無事目出度千秋楽にござりますう、ってこってね。


いや、こっからだかそっからだかの大事な話。
忘れちゃったじゃん、
また今度のネタに取っとこ。

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