日曜日, 3月 28, 2010

無事目出度千秋楽

無事でもなんでも無かったけどね。
15日、すべて取組終わった晴れの表彰式すら、
保身のために朝青龍を切り捨てた武蔵川からの賜杯、
お為ごかしは言っても結局見捨てた友綱からの優勝旗、
作り笑いすらこさえようの無い全勝横綱に
とどめは某国官房長官のハク ホーショー。

ま、そんなこと言ってたって始まらないし終わっちゃったし。
愚痴言うよりゃ希望を語りたい。
この角界のこの場所に、身震いするよな素敵なモノノフどももいたんだよ、って話。

十両の一番、玉飛鳥-若荒雄。

こなた玉飛鳥。
分類で言えば突き押し、でも突きなんかいくらも無い。押し一辺倒。
いや四つにも組めますが、それでもグリグリと右からも左からも押っつけて出てくる、
引かない男、玉飛鳥。
怪我、糖尿、そしてまた怪我、三歩進めば五歩下がる。
そこをアレだ、男の中の男、角界唯一のお星様たる玉春日が育てた男の中の男の男子。
世間的に言わば、この一番には十両優勝が賭かる大一番、だそうで。

かたや若荒雄。
独立云々で冷や飯喰わされた白いウルフ益荒雄が都落ちして開いた船橋の新部屋に
何のご縁か潜りこんできた近所のガキが、何の因果かいまや部屋頭。
こちらは突き押しの押しが弱め。
でもその上突っ張りは強烈な攻めでもあり、自分の距離を作る戦略としても大活躍。
勝ち越しは確保したものの確実な再入幕にはもう一つ積みたい所。

玉飛鳥は勝てば十両優勝、負ければ決定戦回り。
若荒雄は西筆頭、勝てば堂々再入幕。

でもそんなの関係無いね。
目の前の一番だよ。

取るに取れない千秋楽のキップ。
買って駆けつけた相撲好きが息を呑んだこの一番。

最低でも3回、成行き次第じゃ4回はあるはずの仕切り。
一回目はご挨拶ですよ、強烈に視線を闘わせてましたけど。

はや二回目の仕切、先に手を付き待つ玉飛鳥、眼光キリリの若荒雄。
立っちゃいましたよ、若荒雄、
隙も無く遅れず立てたよ玉飛鳥。

案の定、こーなるとしか考えられない 若荒雄の上突っ張り、
もちろん下から下からと当てがい距離を詰めておっつけての詰め狙う玉飛鳥って展開。
上と下との猛攻防、いや猛攻攻。

一回目の若荒雄の引きには玉飛鳥落ちず。
それでも突っ張り直す若荒雄。
たまらず一瞬玉飛鳥のアゴが上がり伸び上がる、も玉飛鳥は前へ前へ。
突きを止めぬまま次の瞬間体ごと開いて透かした若荒雄
全力押しの玉春日は前にバッタリ、あー無念、あーあー無念、あーーー無念。


優勝とか昇格とか賭かった一番にね、
そんなのどーでもいーんだよ、この人たちにゃ。
時間一杯まで、のんべんだらりと時間潰しつつ先方のご機嫌探ったりとかね、
立合い駆け引きで自分優位に持ってったりとかね。
「自分の相撲」とか「一番々々」って、よく軽々しく言ってるけどね、
コレがそのアレなんだ、これこそその本質なんだ。

いや、ホントこっからが大事な話。
玉飛鳥が優勝とか昇進とかに興味が無いわけじゃないんだ。
優勝すりゃ賞金だって貰えるし、上の土俵で戦えるんだし。

ホンの2年前の夏場所、幕下2桁からの7戦全勝で関取復帰を決めたあの日。
勝った直後もいつものようにキチっと礼をして、ふんぞり返って花道下がったけどね。
支度部屋で兄弟子玉春日と抱き合って号泣し合ってんだよ。

結果は結果。
終わってからの話。
やり遂げた男の涙なんだ。
はい、もらい泣きしましたよ、こっちだって号泣ですよ。


ま、この一番に絡めてね、協会上層批判とかさ、
NHKをはじめとする媒体のアレとかさ、それに引き摺られた力士全般の料簡違いとかさ、
いろいろそりゃ限りなく言えるさ。

でもとりあえず今日はさ、あれじゃん、
無事目出度千秋楽にござりますう、ってこってね。


いや、こっからだかそっからだかの大事な話。
忘れちゃったじゃん、
また今度のネタに取っとこ。

土曜日, 3月 27, 2010

世の中なんてみーんな プロレスなぞってるだけなんだし

政権交代だの引き抜き合戦なんて新日・全日間でさんざやってたじゃん。
新自由クラブ、新進党、さきがけ、民主党?
離合集散なんてなUWFやSWS、とっくに何度もやってるよ。
現全日の社長なんか元はと言えば新日三銃士じゃん。
ターザンに丸乗りした全女をはじめとする女子プロレス、
敏感にそっから距離を置いた馬場さん、
アタマのヨワい現場監督長州に丸投げしてた猪木んとこ、
それぞれのその後の命運だってプな人ならみんな見てきたよ。

さて、今日も相撲の話。
テレビ中継の危うさについての話。
途中で放り出さなければかなり長ーくなる話。

11日目でしたかね、結びに全勝対決、白鵬-把瑠都があった日。
幕下以下や十両の時にも結びの話題がチラホラ挟まってた。
ま、これはよくある事なんで。
中入の休憩時間の特集も、もちろん結びの一番、そりゃ当然かもね。
ところがその後もしつこく一番一番の合間が全て結びの話題。
土俵上で仕切りを続ける各力士は一切無視。
把瑠都-白鵬の一番の見立てとここまでの戦歴。
不運にもこの日の向正面解説は「白鵬育ての親、熊ヶ谷」。
正面解説の北の富士と熊ヶ谷に交互に見立てや近況を伺う。
画面も結びをセンターに置いた電光板のアップと対戦成績。
土俵なんか映りゃしない。
制限時間一杯になってから、ようやく土俵上を実況、
繰り返す仕切りを無視していきなりの土俵だから、何が始まったんだかもわかんない。
入り込めない、集中できない。
流れを汲まずに結果見るだけなら、夜中のダイジェストで間に合うよ。

そういやその前日10日目の正面解説は元大関栃東の玉ノ井親方。
そこでもだいぶ酷かったんでアナ解説のやりとりを抄録しとくよ。
まずは中入休憩タイムの分。

山口: さらに玉ノフジさん、把瑠都にとっては初優勝というネ…
玉ノ井: ま、そうゆうことも、ありますよね。マでもあんまりそうゆうのは気にしない方がいいと…
山口: あーそうですかぁ、ハァ。むしろアノ把瑠都は大関昇進よりも優勝の方を言ってるんですけど。 
玉ノ井: あ、そうですか。ま優勝っていうのはね、最後に付いてくるものなんでネ、あんまり考えるよりも、一日一番を、相手にどう言う風に自分の相撲を取るか、マそういうことを考えて欲しいな、と思いますけどね。
山口: えー、今日の解説の大関栃東の、エェ昇進以降、栃東含めて6人大関が誕生していますが、いずれも優勝争いに絡んで次点かあるいは優勝決定戦にもつれこんで、エ、その次の場所に大関昇進が決まっています。マァそれも結果論って事で。
玉ノ井: そうですねぇ。15日間取り終わった後の結果ですから。マ、その中にも内容ってものが出てきますし。あんまりそういうことは考えずにですね、一日一番、一所懸命自分の相撲を取って欲しいと、思いますけどネ。
ま、玉ノ井をタマノフジと呼んだ件については審議中。
そしてそのほんの数番後の仕切り中。

山口: さぁ今日の解説は大関栃東の玉ノ井親方です。エ、玉ノ井さんは平成13年の九州場所に、あの大関挑戦という場所がありまして、エェ12勝3敗の成績で大関昇進を決めました。ま、思い出深い、場所ですよねぇ当然ねぇ。
玉ノ井: そうですねぇ、ハイ。
山口: エェどんな心境でこの場所臨んだんですか。
玉ノ井: んーあんまりこう大関っていうようりも、マァ、一日一番ですよねェ
山口: ホッントですかっw
玉ノ井: ……や、あんまり考えすぎるとですね、固くなって相撲が取れなかったタイプだったんでですね、
山口: あ、そうですかw
玉ノ井: とにかく一日一番を集中して、エェ取ったと思いますねぇ。


この話の直後も往年の栃東-琴の若のVTRを挟みつつ、
把瑠都の昇進ノルマを13勝とする前提にここまでの9連勝を語りたがるアナに、
まぁ一番一番の内容がいいですから、と返す玉ノ井。
ファンから見たら大型力士同士のぶつかり合いが魅力、と焦点替えを試みる舞の海。


あのね、彼ら力士が言う「一日一番」って意味、よく考えようよ。
その場その場の目先の勝負の話してるんじゃないんだよ。
前売り買ったその日まで、カレンダー塗り潰して楽しみにしてる人がいるんだよ。
郷土力士の応援に、仕事やりくりして何とか駆けつけた人もいるんだよ。
リタイヤした自分への御褒美、一生に一度の相撲観戦来る人もいるんだよ。
そんな人たちにとって、優勝争いも場所後に上下する肩書きやらランキングやらなんて、
まーーーったく関係無いんだよ。
贔屓力士の勝敗や、興味もなかった力士の刮目奪う熱戦にガッカリしたりウットリしたりしてんだよ。
そんな人たちが払うおカネで大相撲は支えられてきたんだよ。

優勝争いの行方を知りたいだけなら、夜のスポーツニュース見りゃいいじゃんか。
朝刊読めば載ってんだし。
せわしい向きにはネットでgoo大相撲でも見てりゃ済むじゃない。

時間割いて仕事にも就かず三段目上位からテレビ釘付けになってるもんの身にもなってみろよ。
年三回の東京場所、なけなしのカネ払って見に行ってるもんの身になってくれよ。

優勝なんて、15日務めた力士の最優秀賞ってだけの話なんだよ。
昇進なんて、それこそ場所後の話題なんだよ。
それ言ってんだろ、栃東は。

時間もこさえず足も運ばず、
ワイドショーやスポーツ紙のこさえたアングルで満足してる連中なんて、
角界に一銭も貢献しちゃいないじゃんか。


はぁ~、ようやくその問題の11日目の話に戻りますよ。
いやあんまり戻りたくないんで、サラっと中継アナと解説のやりとりで済ませますよ。
いよいよ本日のお目当て、結びの一番を迎えた局面。
そこまでさんざ白鵬について振られた熊ヶ谷は、いつもに増して同じ話の繰り返し。
仕方無いんで改めて振られた正面解説北の富士も、もう中入後20回目くらい。

大田: 正面の放送席は北の富士勝昭さんです。北の富士さん、一方把瑠都ですが、やはり立合い突っ張って行きますか?
北の富士:……そうねェもう、もう十分に語り尽くしたと思うよ、ぼくは。あぁもうそれしか無いネ、そう、そうゆう立合いに行くと思いますっ。あとは見るだけですねェ…
大田: …うぅっ、…把瑠都の心理面も気になるところですが…
な、汲んでくださいな。

-----明日書き足す-----

今日開幕のセントラルリーグ、巨人-スワローズ戦はもちろんテレビ中継アリ。
途中からチラっと見たんだけど、酷い酷い。
1アウト1、3塁から高橋由伸が右翼前に痛烈クリーンヒット、
速い速い速すぎる鋭い打球に由伸はもちろん一塁ストップ、
セカンドだかショートだかが中継プレイでサードに投げようとしてとどまり一塁を睨む、
切り替わった次の画面ではホームを踏む三塁走者、
そりゃ踏むよ、そんなのどーでもいい。
その次の画面は一塁ベース上で満足そうにグローブを脱ぐ由伸、歓喜のベンチ、打たれた投手…
おいおい一塁走者はどこ行った?
二塁で止められたの? 三塁まで進めたの?
ずーっと映らない。
バッターボックスには既に次の打者。
ピッチャーが三塁方向チラチラ見てるから三塁まで進めたのかな?
でも画面左上のスコア表示ではランナー1、2塁。
初球バッターはバントの構え、大きくウエストするバッテリー。
いつの間にか左上の表示はランナー1、3塁。
え、今走ったの? それとも表示間違えてたの?
こんなんじゃテレビの前でスコアブック付けてる間宮兄弟が困るじゃないか。

あ、そうか。
野球好きはCSで見るのか。
もう地上波なんかアテにしてないか。
んじゃいったい誰が見てんだろ、誰に見せてんだろ。
そりゃ数字も落ちますわ。

本質をないがしろにして目先の上っ面の話に注目させる。
それでぼく達は多くの物を失ってきたじゃないか。
いい加減気付けよ、ぼくの大好きな物を一時の利得で奪うなよ。
少しはプロレス見て学べよ。
あーもうそんなもん、どこにも無いか。

月曜日, 3月 22, 2010

阿覧の馬鹿

九日目を終えて綺麗に黒星9つ並べた西前頭二枚目の阿覧くん。
入幕までに負けた数は19と、15の琴欧洲、18の把瑠都に続く大器の予感を帯びながらも、
まだまだチャンコの味が染みてないトンチンカンな相撲ぶりで楽しませてくれてます。

とは言えさすがに今日の相撲は特筆モノの馬鹿っぷりなので、
まだ場所途中ですがここまでを振り返りつつ記しておきます。

【初日  把瑠都】
立合い右に変わって上手を狙うも差し出しただけの把瑠都の右腕を
わきの下に嵌めてしまい1秒あるかないかで寄りきられ●

【二日目 豊ノ島】
決め打ちで繰り出した突きもかっぱじきも豊ノ島のはるか上空を通過、小兵に押し倒されて●

【三日目 琴光喜】
連敗をおびえるカド番大関を得意の右四つ(ま、相四つだけどさ)に組み止めるも
左の巻替えあっさり許して最後は両足宙に浮いたまま寄り切られ●
ま、大関相手に善戦だったよ。
勝ち残りの田宮くん、笑みを隠せず。

【四日目 日馬富士】
昨年名古屋の初対戦では得意のハタキを決めて日馬富士の綱取りを消し去りましたよ。
番付戻して再び顔合わせ、再現なるか、と(本人が一番)期待するも
押し込みもせず、いや立合い西に押し込まれながらいきなりハタキ→不発、
正面側に逃げながらハタキ→不発、
今度は東に逃げてハタキ→不発、もはや後もなくて押し倒され●

【五日目 琴欧洲】
先場所星を重ねて得意になっちゃった四つ相撲を大関相手に今日も御披露、
得意の右四つは琴欧洲も得意だったのが残念でしたね、
なすすべも無く土俵際まで吊りあげられて寄り切られ●

【六日目 白鵬】
これまた相四つ。
右の差し手が白鵬のおヘソを撫でて左に抜ける間に押し込まれて土俵を割って●
名人白鵬に上手を取らせる間も与えぬ完敗。
ってかきみ、ここまで横綱3戦全部結びじゃん、いいないいな。
今度は国技館で結びに立てよ。

【七日目 魁皇】
立合いに右から抱え込んで左ハズ、それ左四つって言って魁皇得意なの。
それならそれで右上手を取れそで取れないとこにチラつかせんのが攻略の定石なの。
投げられた時、あ゛~って痛そうな顔してたけど、
絞られてたらホントはもっと痛いの。
助かったね●

【八日目 若の里】
ここまで7連敗同士の対戦。
初日が出るか、幕内負け越し一番乗りになるか、
上位戦も済んだし、先場所は勝ってる相手なんだし、これからこれから。
立合い右四つに組み止めるも、その先の攻め手がまるでなし。
膠着状態の中から下手でまわしを探りに行くも、当然若の里は完全ブロック。
逆に巻き変えられて双差しを許し、
全盛期の力も無く長丁場に消耗してるオジサンのハタキ無理投げを一々まともに喰らい
寄り切られて●

いや、いーですよ、ここまでそれなり善戦もあったとは思いますよ。
どっちかが勝ってどっちかが負ける、
それがたまたま8日続いただけですよ、それが相撲だドンマイドンマイ。

そして今日

【九日目 岩木山】
この一年で3勝3敗、得意のハタキのみならず、
土俵際逆転のうっちゃりも決めたことのある相手。
ただし岩木山とはケンカ四つ。

右の胸同士を合わせ、右を下手に差し、相手の首を自分の右に持ってくるのが右四つ。
左から張ってその形を強引に作るのが右四つ使いの張り差し。

立合い左から張って、その張った側の左肩から当たり、そのまま左を差す、
にも関わらず相手の首だけは自分の右に。
きみ器用だねー。
すぐさま大学院生岩木山に首の位置を修正指導されて、
ガブられながらの捨て身の投げも間に合わず、
物言いは付いたものの手着きが早く、
顔から落ちたって鼻も打たない岩木山にはかなわず●


まー迷いなさい、悩みなさい。
力任せの決め打ち一本だけじゃ十両までは通用しても、幕内上位じゃ無理無理無理。
状況に応じて柔軟に、アタマじゃなくて細胞レベルで反応できるようになんなくっちゃぁ、
今は亡き露鵬、白露山、若ノ鵬、あるいは現役黒海レベルの
いてもいなくてもいい欧州勢のお茶濁しに終わるんだよ。
琴欧洲だって把瑠都だって栃ノ心だって、そこ乗り越えて来たんだよ。

まー今場所は今場所、まだまだ9敗。
上位総当りだった去年の名古屋場所は11敗したって収穫あったじゃん。
残り6番も精一杯恥かいて精一杯笑わせてください。
出世したら謝ります。

日曜日, 3月 21, 2010

間垣のくせに生意気だぞっ

っつか正直適切なサブジェクトが思いつかない、ってくらい呆れかえる話。

吹き荒れる南風に耐えながらも日に日に膨らむ桜の蕾のように、
近年稀なる3人ずつが上がった新入幕・新十両もそれぞれに大暴れ、
現役力士たちの命削ったひたむきな努力により
角界にもようやく冬の終わりが予感される今日この頃。

就職場所と言われるこの春場所にも、若貴ブームの頃の半分程度とはいえ
前年を10名ほど上回る約50人が新弟子検査をクリアして前相撲に挑んでおります。
よく来てくれた、頑張れ、頼むぞ、と、無能無責任ながらも心より応援してます。
その名簿を一人一人見ながら、あーこの子は中学横綱だったなーとか
玉春日ソックリな学生横綱森本太良はいないなーあー実業団行っちゃったのかーとか
面白おかしくぼんやり眺めていたところ、
あまりといえばあんまりな一行を見つけて絶句した次第です。
も、一週間以上前の話だけどね。

元横審委員が主筆を務めるご立派な新聞社の子会社で、
角界に大変厳しい一見識を持ち朝青龍叩きをメシの種にしていたはずのスポーツ報知ですら
何の言及も無くベタ記事で扱っております。
すぐ消えるからちょっと引用しときますね。
【中国出身の趙が前相撲へ】
日本相撲協会は春場所5日目の18日、今場所の新弟子検査に合格した中国出身の趙晏緒(間垣部屋)が日本の「定住者」として在留資格を持っていたため、今場所の前相撲に出ると発表した。 
えーっと、間垣部屋ってあれですよね、二代目若乃花の。
でもってこの中国の子は他のソース当たるとまだ15歳なんですよね。

この間垣って人は、4年ほど前、不幸にも脳出血で緊急手術、
その後遺症もあって車椅子生活を余儀なくされつつも後進の指導は諦めず、
弟子に押させた車椅子で国技館に現れる不屈の親方、あの人ですよね。
そんな体でも時津風事件直後の渦中に若い衆を竹刀で叩きのめして
「悪いことをしたら叩くのは当たり前」と言ってのけ、三日後に理事長に謝罪した熱血の人ですよね。
ま、そんな事はどーでもいいや。

昔々ってほどでもない昔、グルジアの北、ロシアは北オセチア共和国に
ガグロエフ・ソスラン・アレクサンドルヴィッチくんという少年がおりました。
レスリングが得意で、なんとロシア全土のジュニアチャンピオンにまでなりました。
伝手があって誘われて、スモウとやらで一旗あげようかな、そうしなさいよと、
東の東、陸が終わったそのまた向こう、日本という国に連れてこられました。
当初は大横綱大鵬が起こしその娘婿が継いだ大獄部屋で居候をしていました。
言葉も通じない、右も左もわからない異国で、
遠縁の従兄弟の阿覧、レスリング時代の恩師の子たる露鵬白露山兄弟だけが頼り。
当時外国人枠が一杯だった大嶽部屋からは新弟子検査すら受けられないという事情もあり、
枠の空いてた部屋に移って新弟子検査→初土俵の目出度き運びとなりました。
その引き取り先が間垣部屋であり、これソスランくん16歳のみぎり。
縁あって世話になった大横綱から一字を戴き、名乗った名前が「若ノ鵬」
以降恵まれた体とレスリング仕込みの運動能力を発揮して破竹の快進撃、
初土俵以来、関取たる十両昇進まで負け越すことなく昇進、
外国出身としては白鵬の記録を更新するスピード出世を遂げました。
しかし肝心の相撲と言えばほとんど習わず覚えず、飛んだり跳ねたり殴ったり…

ってなこたともかく、
要はアレ、
大麻所持で捕まったわけだ。
逮捕された時は誕生日過ぎてて成人してたけど、容疑事実があった6月時点では未成年。
この子に対して間垣が何をしたか。
責める世間に対して身を挺して庇うそぶりすら一切見せず、寝たきりのフリ、
「体の自由が利かないもんで、目が届きませんでした。」
「弟子が勝手に一人暮らししてたのも気付きませんでした」
なんだそれ、言い訳としても成立してないだろ。
協会から解雇を通達されるやいなや、
「責任を取って身元引受人を辞める」との開いた口もふさがらない珍始末。

あのな、外国から未成年連れてきてメシの種にしようとしたんだろ。
そいつがなんか事を起こしたら、保護者後見人として責任を負ったり代わって弁明するとかさ、
不利益こうむりそうだったら弁護士付けてやるとかさ、
それが身元引受人の責務だよな。
その責務を放り出すことで「責任を取りました」、って、
んなもんどこの世界で通用するよ、
って思ったら、日本相撲協会ではまかり通りました。

案の定、国選だっても少しマシだろってなインチキ弁護士と
おためごかしに近寄ってきた週刊誌記者にほだされて、
八百長告白やら

-----21行ほど削除されました-----

ま、気を取り直して落ち着いて冒頭の話に戻ります。
障碍を口実に、異国から連れてきた未成年者に教育も監督指導も庇護もできない、
そんな間垣がなんでまた15歳の外国人引き取れるの?
なんでそれ周りとめないの?
っつか協会はそんなの許していーの?


いや、新理事体制下で取り決められた初の「申し合わせ」が
「外国出身力士の取扱い規定の改悪」だった話とか、
時津風部屋事件で角界追放されたバットの話とか、
いろいろ絡めたかったんだけどさ、
もー打ち込んでておなか一杯。


なんか気を紛らわす明るい話題は無いものか、と思いを巡らすと、
あー明日竜電出てこれんだろな、出てくれよー、とか
鳥羽の山、落ち着けよ、早まったことすんなよ、
来場所はご当所じゃないか、普天王次第で部屋頭なんだしさ、とか
滅入る話ばっかだけど、でも頑張って昼までには起きます。

土曜日, 3月 20, 2010

添削

えーいついでだもう一本。
持続力は無いけど瞬発力だけはあります。

野村一成東宮大夫がバラ撒いた某やんごとありまくる御夫妻のコメント。

「愛子が学習院初等科をお休みしたことにつきまして、国民の皆様にご心配をおかけしており、私たちも心を痛めております。このことについては、学校で既にいろいろな対応策を考えていただいているところであり、今後もよく相談しながら良い解決を見いだしていかれればと思っております。また両陛下をはじめ、皆様から様々なご配慮をいただいていることを心からありがたく思っております」 

お休みの「お」は誰の何に付けてんの?

心配」は陛下が問題の御一家ににかけてんの。
国民の皆とやらは「心配して」んの。
問題の御一家は、心配「かけられ」てんの。
まー今時は新しい慣用表現としてだいぶ定着してきてるみたいだから、
ココあんまり強くは言わないけどさ。

「いかれれば」???
宮中言葉ですか?
我々は「いければ」と言ってます。

とりあえず両陛下だけの部分で一旦切りなさいね。
「皆様」とやらを同列に並べちゃダメ。
オマケに皆様に対してまでも「ご配慮をいただいている」って敬語のベクトルが逆。


和歌の宗家みたいな立場もあるんだしね、
条約の正文を吟味したりもしなくちゃなんない外務省条約局で現国際司法裁判所所長の部下だったんだから、
正しい日本語を論理的に使おうよ。
公表するからにはさ。
これ以上、上様の恥を上塗りするなよな、
な。

金曜日, 3月 19, 2010

巻き物とか貼り物

腹立ちついでにもう一本。

本日六日目の幕内後半、垣添―土佐豊戦。
垣添の強烈な右張り手一発に土佐豊がバッタリ沈み勝負あり。
いや張り手はいいんですよ、立派に認められてる相撲の戦術の一つですし。
でもあの手にグリグリ巻きつけてるバンデージは何なの?

20年くらい前でしたか、あの八百長中盆の板井が星を売ってくれないガチンコ横綱大乃国に対してグローブのようにバンデージ巻き重ねた手で制裁KOした一番を思い出しましたよ、
いや八百長云々は抜きに。
あの時だって相当言われてた記憶ありますよ、
見苦しいずるい汚い卑怯…って

垣添だって今まで言われてないわけじゃない。
勝負を終えた土俵下でいきなりバンデージ剥がし出すのはどーなのよ、って言われて以降改めたりしたじゃないですか。
今はその場で剥がさずに、静かに目を伏せ両手を組んで感謝の祈りを捧げてますでしょ。

そもそもバンデージとか包帯サポーターのたぐいってのは、痛めてる部分や怪我の養生としてのみ認められてるわけでしょ。
さっきも出した日本相撲協会寄附行為施行細則附属規定 の「カ士(競技者)規定第一条」にだって
力士は、締込(しめこみ-まわし)以外を身につけてはならない。負傷者の繃帯、サポータ、白足袋等は認められるが、相手に危害を与えると認められるものは、一切禁止される。指輪、腕輪は勿論、繃帯を止める止め金等の金属類も当然使用禁止である。
って明記してあるじゃありませんか。
それを怪我もしてないのに明らかに武器強化として使ってる。
勝負終わればすぐ外すんだから、巻いてる目的は板井と一緒と見なすのが当然。
巻くんだったらその手を乱暴に使うなよ、
使うんだったらその手に巻くなよ。

で、これを看過してる部屋の師匠の武蔵川ってのが現理事長って、
これ一体どーなってんの?

「協会一丸となって気を引き締めて一人一人が自覚を持って騒動を引き起こさないよう…」

どの口が言うかね。

立合いの異常化

春場所序盤を〆る五日目、東西支度部屋に立合いの乱れを咎める通達が貼り出されたそうで。
確かに今場所は初日から、それもTV中継の始まる三段目上位あたりから幕内に至るまで、待った待ったの連続で、不愉快極まりありませんでしたよ。

こんなもん、貼り紙一枚で治るわけないじゃないですか。で東西各一枚貼りましたか、そーですか。
言ったって直せないから乱れてるんでしょ。実効性のないこと言って対処しましたみたいな顔してんじゃありませんよ。年寄連中が無責任に口先だけ飛ばしてたって、生活掛かってる力士はハイそうですかって訳にゃ行きませんよ。
今に始まった話じゃないんだし、上の人間に問題解決能力無いの丸出し。
言われた力士が気の毒ったりゃありゃしない。
無理にでも合わせなきゃ叱られるし、合わせようを部屋で教えてくれる訳じゃなし。
案の定、常習犯の垣添なんか先に両手を付いて待ってたのに、通達のせいでガチガチになってるからもーわかんなくなっちゃって突っ掛けちゃった。
言って無駄な口叩くなら言わない方がマシ。
幕内十両だけで8番でしたか、貼り紙出したせいで逆に増えちゃった。

垣添は以前にもヒドイ目に合ってましたよ。
ちょうど北の湖失権で三重ノ海の武蔵川仮体制が始まった場所でしたかね。
今日から立合いはこーなりましたって習ったこともない立合いをいきなりやらされて、制限時間から二度も三度も待ったがかかった。
これを勝負審判として白房下で見てた無双山の藤島が満場の客前で部屋の弟子である垣添をエラソーに叱り飛ばしましたよ。
垣添は恐縮しまくってその後の取材にも謝り続けてましたけど、人気商売の個人事業主たる関取を公衆の面前でお仕置きって一体どんな神経してんのさ。
稽古でできない事が場所の土俵でできるかーって叱るのが親方の本来。
部屋で稽古場で教えてないこと、客からカネ取って見せてる本番で指導してんじゃありませんよ。

そもそも「正常な立合い」って何さ?
明文化されたものはここ、「日本相撲協会寄附行為施行細則附属規定」の昭和三十年五月八日施行の「相撲規則」の中の「勝負規定第五条」として
立合いは腰を割り両掌を下ろすを原則とし、制限時間後両掌を下ろした場合は「待った」を認めない。制限時間後、故意に「待った」をした場合は、両者に左の通り制裁金を科す。 
幕内以上 一OO、OOO円 
十枚目 五○、OOO円 
審判長は、故意による「待った」の結論を出した場合は、当日の取組終了後、理事長に報告する。理事長は、審判長の報告に基づき処罰を決定し、即日該当力士に通告する。審判規則(行司)第八条・第十条の「待った」の場合は、適用外とする。(平成三年九月場所改正)
とありますね、 これが第一の根拠。
これに加えて協会お得意の「理事会での申し合わせ」「通達」 という非公式なルールもあるんでしょう。
「両掌を下ろす」とはありますが、「両掌をつく」とは書いてませんね。
実際、北の湖や三重ノ海の時代なんか腰を割りどころか、蹲踞から立ち上がるや中腰のまま拳をちょいと下げそのままぶつかりあってたじゃありませんか。
You Tubeとかにさんざ上がってますよ、その頃の動画。
自分たちでしてなかったこと出来なかったこと、どうして後輩に強制できるの?指導できるの?

まあいーですよ、相撲のあるべき形というのを念頭に今後はこーして行きましょうってのを考えて、それを「申し合わせ」て「通達」して徹底できるんなら。
それが出来ない責任を現役力士だけに押し付けてエラソー風吹かしてられる現体制ってのはなんなの一体。

おまんま懸かってんですから、現役は。
全員が全員じゃないにしても、少しでも早く立って自分有利な形に持ち込みたいって力士がいんのは当然でしょ。
それをここまではセーフ、こっからはアウトって基準を明確にせず、審判や行司によって判断もマチマチってなルール押し付けといて、守れったって守れませんよ、ってか何を守ったらいいんすか、ってなもんでしょ。
乱してるだけじゃないですか、何が「土俵の正常化」なんだか。

例えば競艇なんかはスタート一発1マークをいかに回るかってんで勝負のほとんどはつきます。
あとの2周半なんてのはウィニングランみたいもんです。
一方競馬だとスタートで先行してもそれはペース作りを主導するってだけで、勝負そのものは最終コーナー回るあたりから直線に出て競うのが大体でしょ。
競輪に至ってはスタートなんか一応号砲鳴らして一斉に出ますけどノッソリノッソリ走り出して番手を作り、ジャンが鳴ってラス一周ってとこに勝負の全てを賭けますね。違うの?
で、そこんとこ相撲はどーなのよ、立合いで勝負の半分以上決まるようでいいんですか。
それとも取っ組みあったり突き押しあったりってとこに勝負の重心を持ってくべきでしょか、ってとこから「正常な相撲」ってもんを規定した上でルールや所作を決めて徹底していくことで相撲の醍醐味ってのをチューニングしてくのが年寄連中の仕事でしょうが。
「あるべき相撲の形」ってコンセンサスも無いままに、手段を目的と履き違えて振り回し続けてるから現状のみっともないことになってんでしょ。

北の湖部屋や武蔵川部屋にゃ、体重や腕力活かして立合いの勢いだけに勝負を賭けるような力士いっぱいいますね。
取っ組んでから形を作ったりバランス崩し合ったりして自分の相撲を組み立ててくタイプ、少ないですねえ。
自分とこの所属力士に有利になるようにルールだ所作だって道具振り回してるかのように勘繰られたって仕方ないでしょ。
んでまたそんな時流に乗って立合いだけ磨き続けて大関になる日馬富士みたいのが出てくる。
スポーツ紙や解説者がそこばっか褒めるもんだから、取っ組んでからの相撲はそっちのけで買ってきたサンドバッグ相手にタックル練習する把瑠都みたいのが出てくる。
それはそれでいーんでしょうけどね、そじゃないタイプの力士はワリ食いますよ。減りますよ。
いや確実に減ったじゃありませんか。
なのに今主流は立合いだとばかり師匠連も立合いばっか稽古させる。
四股も摺り足もあったもんじゃない。

これが「土俵の正常化」ですか。
いろんな持ち味の力士がカラフルにバラエティ豊かに揃ってた方が、
面白いと思うんだけどなー